日本のコンテンツよ、永遠なれ


漫画、アニメ、ゲーム。
この3つの新し目な日本文化は、今や危機に瀕しているそうだ。


単純な話、日本の消費者には時間がない。
総パイは限られている。
なのに良コンテンツは異常な速度で増えている。
だから明らかに高クオリティーなのに、売れない。
高クオリティーな漫画やアニメ、ゲームは過去のも含めると増え続けている。
小説もテレビもモバゲーもネトゲも増えている。
youtubeもニコニコもmixiもおもしろいエントリーが増えている。
明らかに日本はかつてないくらいコンテンツ大国になっている。
今やソフト的な娯楽は日本に溢れかえっている。
しかし、それを持て余してしまっている。


また、その高クオリティーコンテンツを作り出すクリエイターが疲弊し、クオリティーが落ちてきている。
消費の分散、低所得者層の増加、インターネットの普及による海賊版の増加、これらによって、ただでさえ末端のクリエイターに渡る収入は少ないのに、さらにパイが分散、または縮小し、クリエイターの収入は減っている。
もちろん会社は利益を増やしたいからクリエイターの給料を減らすし、人員を減らす。
スキルのある人間が辞め、クオリティーが落ちる。
そしてクオリティーの低下はレビューによって広がりコンテンツの買い控えが進む。正に負のスパイラル。


ハリウッドが立て続けに日本のコンテンツをリメイクし、海賊版は世界に氾濫し、もはや日本のコンテンツは事実上世界を席巻している。
にも拘らず、世界から尊敬されるべきクリエイターたちは疲弊しているのだ。
今や国内消費だけでは利益が頭打ちで、いくら高クオリティーのものでも儲けられない状態じゃないのか。
人気が確定している一部の作品だけじゃなくて、どんどんコンテンツを輸出することは出来ないのだろうか。
翻訳とか販売ルートとか下地作りが大変ではあるだろうけど・・・
日本語がメジャーな言語じゃないのが悔やまれるところです。


日本の産業として、漫画、アニメ、ゲームを育てる、ということも中々難しいようだ。下記のような事例がある。まだまだ漫画、アニメ、ゲームは日本の社会の中で異端扱いなのだろう。


しかし、中国の学生がセーラームーンを楽しんでいたり、プロバスケット選手がスラムダンクに影響されていたり、と日本のコンテンツというのは思いのほか影響力が大きいのだ。
ジャパニメーションだとかMANGAだとか呼び方はどうでもいい。
上記のリンク先の叔父さまに一言いわせていただくと、偏見があろうとなかろうと、政治家はその影響力をどう利用するか考えてほしい。


文化論なぞ政治には必要ない。
それらを理解しようとする必要もない。
ただ、どう利用できるのか、それを考えてほしい。


そのためには、実際に海外で日本の漫画やアニメ、ゲームがどう生活の中に入っているのかを知る必要がある。
そうした日本のコンテンツに親しんだ世代が国を動かすようになったときに、たとえ政治判断には私情を挟まなくとも、感情的に親しみを抱いてくれるはずだ。
そうゆう部分に対してどうアプローチできるか、日本のコンテンツに対して、戦略的な考え方をしてきたかどうかがその時に問われるはずだ。


そして、利用できるものは育ててほしい。
もしかすると、経済的なレベルでどうの、ということはないかもしれないが、影響力のレベルで言うとハリウッドを越える存在感を日本のそれらのコンテンツが持つ可能性だってあるだろう。
ハリウッドだって始めの頃はサブカルとか言われて馬鹿にされてたんだから。