浅田選手の笑顔の行方

浅田真央選手銀メダル獲得、日本選手全員入賞おめでとう!−バンクーバー五輪


浅田選手に感心しきりです。
彼女には観客として見ている僕達よりよっぽどフィギュアスケートの現在が見えているはずです。
見たくない現実もあると思います。
しかし、以下の引用にあるように彼女は『負け』を認めました。


刈屋富士夫アナウンサーが印象的な解説をしていました。
詳細には覚えていないのですが、確か真央選手の涙のインタビューの後「浅田選手は『キム選手に負けた』とはっきり言った。大抵の選手はこのような時言い訳めいたことを言ったり、『自分なりに楽しめた』みたいな言葉に逃げたりするが、彼女は正面から負けたという事実を受け止めていた。これは彼女のプライドだと思う。こういう選手は絶対に、強くなります。」
刈屋さん!素晴らしいコメントでした。聞いててちょっと泣きそうになってしまいました。
そうですよね。これで真央選手はきっと更に強くなります。

恐らく、見ないようにしていた事からのプレッシャー、納得行かない思い、そういったものが競技に影響し、ミスを招いてしまったことへの自戒だと思います。その後の表彰式やメダリスト3人で観客へ挨拶?をする場面でも浅田選手の表情は硬く、時に泣き出しそうな顔も見せていました。相当に悔しいんだと思います。


今回のオリンピックフィギュアではロシアのプルシェンコ選手から会期中に強烈な批判が出ました。今後のオリンピックでフィギュアが種目からはずされるかどうかという危機感から出た言葉だったのだと思います。たくさんの不正、疑わしきジャッジがあるとはいえ、オリンピックのフィギュアは花形の種目です。そこにはたくさんの選手の、それこそ血と涙と汗が染み込んでいる。その輝く功績の歴史に汚らわしい人間の欲望で幕を下ろさせないようにフィギュア界の自浄作用を促そうとしているんじゃないかと思います。


浅田選手が負けたと言うのなら、これ以上は何も申すまいと思います。


ただ、悔しいかな、表彰式に彼女の輝かしい笑顔を見たかったです。SPをやりきったときの笑顔をまた見るために今後とも彼女を応援していこうと思います。