バンクーバーオリンピックのフィギュアスケートエキシビジョンの感想

競技を離れた各選手のパフォーマンスは素晴らしい、の一言でした。
そこで、分かりました。
きな臭い噂のある選手達は結局、利用されているだけなのです。
ただ、スケートが好きなだけの選手が、大きな欲望に利用される。
いや、普段の彼らの性格や、生活ぶり、どれだけ自覚的に利用されているか、というものは僕にはサッパリ分かりません。
しかし、エキシビジョンで滑っている彼らを見て、なんと純粋にスケートが好きな人達だろうと、素直に感動しました。
そして、彼らは決して自分の能力をひけらかすためではなく、観客を、テレビを通して世界中の人を喜ばせるために滑っていることが、画面を通して伝わってきました。
男子シングルで金メダルを獲ったライサチェック選手の滑りは伸びやかで品があり、純粋でとても輝いていました。
女子シングルで金メダルを獲ったキム・ヨナ選手の滑りは、解説をされていた方のコメントで、「彼女の滑りから音楽が流れているよう」(うろ覚えですがこんなことを仰っていました)という評の通り、素晴らしい滑りでした。しかし、同時に悲しみが伝わってきました。それは曲が悲しい曲だからなのか、彼女自身の悲しみなのかは分かりません。のびのびと素晴らしいパフォーマンスなのに喜びが伝わってこない。綺麗なジャンプを決めた瞬間だけは少し喜びが出てくるのですが、それでもすぐにそれは鳴りを潜める。
こんなに素晴らしい競技をどうして噂まみれのきな臭いものにしてしまうんだろうか。
確かにフィギュアスケートに点数を付けることは難しいでしょう。公平な点数基準を作ることは一苦労です。しかし、公平な点数基準を作ることよりも選手達の方がもっと苦労しています。彼らは純粋に観客に喜んでもらいたいはずです。そのために技を磨いている。彼らの苦労に比べれば、いかに難しかろうと公平な場を設けて、彼らに自由に競ってもらい、それを世界中の人に見てもらうことのどれだけ簡単なことか。そして、そういった場を作ることがどれだけ世界のためになるか。スケート業界の人にはそれを真摯に考えていただきたいと思います。
本当に素晴らしいものを見せていただきました。
選手の皆さん、お疲れ様でした。