ニートや不登校は“アンチ奴隷労働”

突然ですが、ニートや不登校は、今の日本の根本的な問題に対して、その態度で問題提起しているんじゃないでしょうか？
その問題とは、労働や教育での創造性の欠如です。

ほぼ日手帳、2013年10月28日今日のことばより
「日本人って、たしかに素養が高くて優秀だと思うんですが、なんというか・・・『奴隷労働的』になる人がすっごい多くて。
結局、そういう人は『目先の仕事』を『最高のクオリティに仕上げる』ことばかりに集中していて『本当にやるべきこと』に注力しない。
だから、結果につながらないんですね。
―安宅和人さんが『「イシューからはじめよ」のまわりで考える。』の中で」

ニートは、今の日本型労働＝奴隷労働に対してNOと言っている。
不登校は、奴隷労働的な脳みそを作る教育に対してNOと言っている。

僕が言う奴隷労働とは、「生産性を上げない労働」のこと。
つまり、単に時間だけかけて、やれと言われたことだけこなす労働のことです。

そして、もっと言えば、そんな労働を善しとする社会、むしろそうゆう労働力のみを欲する社会は、形だけ変わった中世の奴隷労働となんら変わりません。

また、その人の持っているアイデア、創造性を生かし、新しいサービス、製品、仕事を生み出すことを、多くの企業が苦手としています。
それは、そういった教育を上層部や管理職が受けていないから。
勿論、入ってくるアルバイトや社員だって受けていません。

まず、新入社員の持っている、素人っぽい考えを、企業は潰すところから始めます。
むしろ、そいういった素人っぽい考えを持っている人を面接でシャットアウトする。
素人っぽい考えというのは、つまるところ、その会社に染まっていない考えであり、その企業のサービスや商品を利用する消費者の目線に近いもの。
彼らの考えは、そのまま、企業のサービスや商品を改善したり、もっと新しいものを生み出す原動力になるかもしれないんです。
それを入口で切ってしまう。

ニートになってしまう人の、あくまで一部は、この素人っぽい考えを就職活動の中で捨てきれなかったのではないでしょうか。
だから、どこに面接に行っても落とされる。
面接で他の人が、完成され、用意された、企業の求める社員像と合致する言葉を述べている横で、朴訥とした、馬鹿に見えることを言ったのかもしれない。
しかし、自分を偽れず、素直に思ったことを言うことしかできない人は、どこの企業を受けようと、言うことは変わりません。
そして、就職活動の他に仕事をする道などないと教えられているために、面接に挑み続けます。
結果、砕け散ってニートになるわけです。

彼らは確かに不器用と言えるかもしれません。
また、世渡り下手だと蔑まれるでしょう。
ただ、新しい核心的なサービスも、商品も、生産性を上げることもできず、馬鹿の一つ覚えで「改善」ばっかりやっている多くの企業に対して今必要なのは、
「これって意味ないですよね」
と素直に言える人間です。
ただ言われたことを、慣例の範囲内で効率的にやれる人間が優秀であるという価値観を覆さなければ、創造的な仕事などできません。

そういう観点で見ると、ニートや不登校の人が増えているのは、今までの働き方、教育への問題提起と言えます。
ではっ！

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