札幌のデザイン力は生かされてるの?

この記事によると札幌のグラフィックデザイナーのレベルは相当高いらしい。


世界で評価される札幌のグラフィックデザイナー
http://s-xing.jp/news/news00107.html


しかし、普段デザイン雑貨屋で出会うのは北欧のものが多い。
Francfrancとか。
輸入雑貨や輸入家具の評判がいいのと比べて、札幌はそのデザイン力を生かせているのだろうか。


国際家具デザインコンペティション旭川というのが毎年開催されているらしい。
旭川家具について調べて出てきた。


国際家具デザインコンペティション旭川
http://www.asahikawa-kagu.or.jp/ifda/


ここで賞を受賞している方々のうちどれくらいの人が実際旭川を訪れているのだろうか。
そしてどれくらいが旭川に移住しているだろうか。
どれだけ地域還元性があるのだろうか。


世界的に有名なコンペティションを主催するというのは良いことだが、それがいかに有機的に開催地と融合しているかが肝心だ。
ただのスポンサーとして地方自治体があるのならば、それを旭川でやる意味合いはあるのか。
例えば、このコンペに刺激されて、旭川の学生がコンペに出したら、優勝した。とか。
このコンペの為に来日したデザイナーがその住みやすさに移住をした。とか。
上記サイトの中に、「旭川の底力ツアー」というのがあるが、旭川家具の有望な事務所を回るのかと思いきや、公的機関と木材屋を回るという…
コンペに来た海外のデザイナーにそんなの見せてどうする…
それよりも旭川で家具を作っている若者とかそうゆう人達と世界の人達の交流こそが大事じゃないか…


日本は世界に、アニメや漫画、ゲームといったソフト力を示しつつある。
デザインももちろんソフト力だ。
輸入雑貨や輸入家具が日本で売れているのだから、その逆だって可能だし、海外勢の日本でのシェアを奪ったっていいわけだ。


そしてもう一つ、デザインからは少し話がそれるかもしれないが、クリエイティヴクラスの移住と言うのがちょっとした話題だ。


WIRED VISIONの「クリエイティブ・クラスの世紀」という本の書評。
http://wiredvision.jp/blog/fromeditor/200709/200709070125.html


ここにはアメリカの経済を支えてきた、クリエイティブ・クラスの人材が、アメリカ国外へ流出するのではないか、という懸念が書かれているらしい。
本自体はあまり評判が良くないようだが、クリエイティブ・クラス、という概念を広げた意味で一読してみるべきかもしれない…


地方活性化の鍵はもうすでに企業誘致ではなく個人誘致に移り変わっているのかもしれない。


地方経済の疲弊を構造改革のせいにする愚
http://diamond.jp/series/kishi/10009/


海外視察inフランス・ストラスブール
http://kasaikunitoshi.com/gikai/15france_st_text.htm


いまやインターネットの影響を度外視して地方自治をするのは時代遅れもはなはだしいと思うが、インターネットを駆使すれば、札幌とニューヨークでデザインの打ち合わせをするのもリアルタイムでしかも無料でできてしまう。
例えば、家具の状態や大きさを見るのだって、ウェブカメラを使えば、擬似的ショールームを作ることだって可能だ。
まあ、座ってみたり触ってみたりはできないが、素材についてはサンプルで代替できるかもしれない。
日本は世界でも有数の安心感を持つ都市をたくさん抱えている。
北海道の都市もその条件をたくさん備えている。
世界に均等に与えられているチャンスを生かすにはどうしたらいいだろうか?
北海道からのクリエイティブ・クラスの卵流出も防ぐべきだし、クリエイティブ・クラスの誘致へも動くべきだと思う。