デウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神)と人


いまや市場経済はさながら神のように振舞っている。元々は人が作り出したものでありながら、もはや人の支配を離れ、逆に人を支配している。それによって人は本来の人としての在り方を失い、誰もがそれを求めさまよっている。しかし、自分が求めているのが人としての本来の在り方だということも、現代人の大半には分かっていない。だから、夢だ、希望だ、生きる力だ、と言っている。


だからと言って、市場経済から離れ、縄文人のような生活をすることも、もはや現代人には無理だ。いまの世に合い、なおかつ、人本来の在り方に沿うような生活を見出さなくてはならない。これは決してエコのことを言っているのではない。人としてムリのない生活をすべきだということだ。自分の心の呼びかけに耳をすませ、それに正直に従うことだろう。現在の生活の中でできるかぎりそれに取り組めば、いまより少しは幸せを感じられるようになるだろう。


それが、デウス・エクス・マキナの支配から少しだけ逃れる術であり、人の心に自由をもたらす方法だと思う。