国会議員の存在意義とは

そもそも、国会議員って何なんでしょうか?


国民を代表して行政をチェックする。
国民が払った税金がどう使われているのか、予算案などをチェックしてその可否を判断する。
行政がうまく機能しているかチェックする。その仕事が国民のニーズにマッチしているか否かを判断し、マッチしていなければ是正を求める。
国民に必要だと思われる政策を吟味して必要な法律を作る。


思いついた限りを列挙してみましたが、こうゆうことをしてもらうために国民は国会議員に票を託すのでしょう。


その時々、その時代にマッチした制度、国民が安心して暮らせる国の制度を、国民の利害を代表して作ってもらうために国会議員を選挙で選出するのが国民の率直な感覚だと思います。


であれば、国会議員に要求される能力は行政をチェックすることのできる専門的な知識、国民が安心して暮らせる世の中を作るんだという強固な意思、その意思のバックグラウンドとなるその人自身の能力、となります。


行政府は選挙で選ばれているわけではありませんし、継続的に政策を行っていくために解散したりもしません。官僚として行政府に入った人は、長くそこに勤めることとなるので、既得権、利権が発生します。しかも入ってしまうと、自分たちでは自分たちを客観的に見ることができなくなる。組織に染まるわけです。


人は誰しも、権力と富に弱いと、宋さんがブログでおっしゃっているので、勿論その理屈は官僚にも適用されるでしょう。
つまり行政府は自分で自分をチェックする自浄機能が働きづらい構造を持っています。


だからこそ国会議員がいちいちそこをチェックして無駄がないか。汚職がないか。官僚の働きが国民のニーズに適っているかを判断して必要ならば法律を変えてまで行政をコントロールしなくてはいけないのです。


しかし、国会議員があまりにも官僚よりレベルが低いと、官僚はやりたい放題になります。口では国家のためにとか言いながら、自分の権力と、退職後の富のためにせっせと働くことになるわけです。
行政府には自浄機能がほぼありませんし、それを行政府に求めるのは酷ですから、国会議員がしっかりやる必要があるわけです。


そのためにこそわざわざ選挙をし国会議員を選出しているわけです。官僚と一緒になって既得権益を享受しているような政官癒着というのは、国会議員の国民への裏切り以外の何物でもない。監査する側が監査対象と仲良くやっちゃどうしようもないですよね。


しかし、政と官は敵というわけではありません。
国家の平安という一つの目標達成のため共に働く者同士です。ただ、その性格はまったく違う。
今回民主党は、長らく続いた自民党政権下で癒着が進んじゃってどうしようもない。もはや長年連れ添った夫婦みたいになってしまった政官の状態を引きはがしに掛かっているわけです。
本来であれば、こうゆう政権交代を定期的に繰り返して、政と官の癒着を作らないようにするのが政党政治の意味だと思います。だから、国会議員というのは任期が決まっており、官僚と違って流動性が保たれている。そうでなければ、国会議員の側にも既得権益が発生し国の制度が立ち行かなくなる。
まあ、長らく続いた自民党政権のせいで、もはや国の制度は立ち行かなくなってしまっていますが・・・


今回の事業仕分けチームの一悶着で表れた小沢幹事長の感覚は、自民党のと同じですね。
政治家は選挙で何回も当選してこそ、みたいな感覚があるようです。


違う。


政治家は、その与えられた任期の中で、その時期に国民が必要としている政策を行うように行政の形を整える仕事に専念すべきだ。また、何年も何年も民主党政権が続くようにすれば、自民党政権で行われた政官癒着と同じことが繰り返されてしまいます。


小沢幹事長自民党を出て、新たな自民党を作りたいと思っているんだろうか。
それとも、今回の一悶着が単に官房長官辺りの不手際のせいだったとしたら、つまり内閣の側の力量不足のせいだとしたら、近々、小沢内閣が誕生しかねませんね。そうなったら、郵政だけではなくすべての改革で時代が逆行し、民主政権下なのに自民党政権みたいなことになっちゃうでしょう。
政官の癒着を引き剥がすことはできなくなります。


国家議員の皆さんは、職業国会議員を目指すのではなく、この任期中にできる限りのことをやる、命を懸ける、くらいの覚悟で国会議員をやってください。その覚悟がないんであれば、始めから立候補しないでください。
つまり、国会議員の任期後のことなんて微塵も考えないで、この任期にすべてを掛けてください。それができないやつは即刻辞めろ。と言いたい。


それから、参院議員はいらないですよね。存在意義が分からない。
より綿密な議論をするためにあるはずなのに、その役割を果たそうとすれば法案が通らない、遅延が生ずる、なんてことをしてちゃ意味がない。
これは、参院議会も衆院議会と同じような政党政治をしているからでしょう。参院議会には政党の論理が入り込まないようにしないといけないですよね。参院には政党政治の理屈の外の人がなるべきではないでしょうか?それがどんな人たちになるのかは考えていませんが・・・