我を折る

新しい仕事先(コールセンター)で研修を受けています。
しかし、僕はコールセンターの仕事は初めてで、応対するのにとても苦労しています。
今は先輩が横について応対しているので、分からないことや間違ったことがあったら、即座に横からツッコミが入ります。
そこで保留を入れて、自分で調べたり、別席に座った質問に答える専門の人(上司)、に聞きに行ったりします。(先輩は業務中にあまり教えてくれません。通話が終わった後で指摘してくれます)


一緒に入った同期の人の中には泣いている人もいました。
僕もとても苦しいので、その人達が泣いている気持ちを少し理解できます。


しかし、なんで苦しいのか考えてみました。
だって、通話相手も、先輩も、質問に答えてくれる人も誰も優しいのです。
怒られたことなどありません。
前職の携帯電話販売では、クレームで怒鳴られたことが結構ありました。


なんで苦しいのか、いくつか理由を思いつくまま書いてみようと思います。


1.僕が応対する通話相手に申し訳ない、という気持ちがある。
申し訳ない、とは謝罪です。
何に対する謝罪か。
通話相手に不愉快とか不便な思いをさせているのではないかと考えて、それに対する謝罪の気持ちです。
実際、お客さんは有料で電話をかけてきています。(フリーダイアルではない)
なので、時間がかかるとお金がかかるわけです。
さらに、自分の応対を録音して聞かせてもらいましたが、これはひどい、と思いました。
お金をかけてこの応対をされては、たまったものじゃないと思いました。
恥ずかしい。


2.自分は無力だ、という気持ちがある。
業務手順や業務知識をあまりにも知らなくて、お客さんや先輩に迷惑をかけている自分を無力だと感じています。
先輩からはいろいろとダメ出しや、こうしたらいい、ということを教えてもらえます。
しかし、思考が停止した状態になり、狼狽してしまいます。(ここで一つ仮説です。この状態で聞いたことが無意識に入り、無意識に業務に生かされる可能性があります。)
自信喪失。


3.間違った応対をして、クレームになったらどうしよう、という気持ちがある。
実際、少し間違えると、多大な迷惑をお客さんに及ぼしてしまう仕事です。
命までは取りませんが、大きな楽しみをフイにするくらいの威力があります。
恐怖。


と、ここまで考えてきましたが、すべて当然のことです。
しかし、すべて仕方の無いことだ、と思いました。
つまり、お客さん対応をするようになって、まだ二日。
いくらその前に座学やロールプレイングをして練習してきたと言っても、本番はこれから。
その状態で、何の迷惑もかけないことの方が無理なわけです。
これは事実。(3ヶ月やってこのレベルならこの仕事に向いてないと思い辞めますが)
逆に、1〜3(まだ苦しい理由はあるかもしれませんが)を気にしている方が業務にマイナスの効果を及ぼし、さらに大きな迷惑をお客さんや先輩にかけてしまうかもしれない。
早いとこ開き直りをしてしまえば、楽なことに気付きました。
そして、その上で、業務手順や業務知識を日々身につけ、早いところ一人前のサービスを提供できるようになる。
お客さんも先輩も上司も僕も、お互い様ですよ。
と、勝手なお互い様を発動します。


自分が無力であることを認め、それを受け入れて、その上で行動する。
無用なプライドやマイナスの思い込み、言葉癖、固定観念
これらが、苦しみを産み出しているように感じます。
それら我を折れる仕事につけて、僕は幸せだと思います。