【ネタばれ】ノウイング Knowing

ノウイング

ノウイング

観ようによってはとても感動する話です。
涙が溢れると思います。
しかし、観ようによってはとても救いのない映画です。
無力感に苛まれると思います。
僕にとっては後者の意味合いでとても意義深い作品となりました。


あらすぎを書きます。
主人公は、宇宙物理学者。
ある日、小学生の息子が、学校の創立記念日にタイムカプセルの中から出てきた50年前の卒業生からの手紙を受け取ります。
その手紙にはただ数字がずらーっと書かれているだけ。


主人公はその数字の中から偶然、50年前の災害の日にちと死者数を見つけます。
探っていくと、そこには様々な事故、災害の記録が書かれていました。
そして、まだ“その日”が来ていない記録も書かれていました。


更に、その数字の中には、事故や災害の起きる位置(経度・緯度)も書かれていました。
その“予言”を頼りに彼は死者が出ないよう現地に行きますが、その苦労も空しく、事故は起き、死者が出ます。


手紙の最後には、もう一つの“予言”がありました。
しかし、その予言は途中で途切れていました。
主人公がその謎を追いかけると、それは人類が滅びるほどの大災害の予言であることが分かりました。
それはもはや人類ではどうしようもないものです。
それでも彼は、人類を救おうと動きます。


結果、主人公は人類を救うことはできませんでした。
それどころか、息子を宇宙人にさらわれます。


全ての謎を解き、彼が目にしたものは、人類を未曾有の大災害から救おうとする宇宙人達でした。
彼らは、“選ばれた者”のみを地球から救い出す使命を負っていました。
そして、主人公の息子はその選ばれた者でした。


主人公は数字の謎を解くことで、息子を手紙に示された“約束の地”へと導く役割を担っていたのです。
しかし、結局彼はその役割すら果たせませんでした。
最後に彼にできたことは、自分と離れることを嫌がる息子を説得することでした。
息子が自分で決断をしないと、宇宙人は彼を救えないからです。


そして、主人公は大災害に呑み込まれます。


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なぜ僕はこんな救いのない物語に引かれ観たのか。
見終わった後に、そんな疑問が思い浮かびました。
僕は、何かを感じないとDVDを借りないからです。


この映画の主人公はとことん無力でした。
人類を救えたわけでもない。
家族を救えたわけでもない。
息子を導けたわけでもない。


そこであることが思い浮かびました。
僕自身も過去勤めた仕事でことごとく無力感を味わってきたんです。
そのパターンを簡単に書くとこうです。
その段階では自分にできそうもない仕事に無理やり取り組み、失敗して、無力感を味わう。
中には、自分にできそうもない仕事をしている人を見るだけで、自分にはとても無理だ、と無力感に陥る。
常に、自分の能力以上のことをやろうとしていることが分かりますね。
これが社会に出て仕事をするとき、僕の足を引っ張ってきたようです。


続く・・・